硝子細工の夢
空が薄く明るくなる頃に
君の首筋に唇を這わせることを 夢見た
おかしいね 夢なのにね
君は不思議な香りを有してた
触れたことのない髪が柔らかで くすぐったくて
でも 子供みたいに鼻先をうずめてた
頬ずりをして 額を寄せて
君の瞳のなかの僕と目を合わせた
仔犬のように ぎゅうぎゅう抱きしめていて
腕の中の 僕の髪を撫でて欲しいから
この小さな矮躯を どうか君の色で染めて
同じ色に同じ匂いになればいい
夢のなか僕は確かに 君の匂いに惹かれてた
君の細くて綺麗な指を 含んで何度も舐めた
その唇から紡がれる吐息が 僕の身体を優しく包んでた
そうして
目が覚めたら独りだった
全ては魔法のような夢
夜明けに掴んだ硝子細工の夢なんだ